[失敗しない]お蕎麦の食べ方8選をプロが伝授。粋な振る舞いで蕎麦通に。

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「お蕎麦を食べる時ってどうやって食べれば良いの?」「啜るのはあり?」「薬味はいつ入れれば良いの?」はじめてお蕎麦屋さんにいくと分からないことだらけです。そんな疑問を「蕎麦鑑定士1級所持の蕎麦屋さん」に聞いてみました。この記事を読めば今日からアナタも安心してお蕎麦が食べられます。

目次

安心して美味しいお蕎麦を楽しむ食べ方

おそば屋さんを粋に楽しみお蕎麦を食べるためには、8つの事を知っておくと安心です。

  1. 蕎麦は秒単位でのびていくので手早く食べるのが粋
  2. 先ずはそのまま蕎麦だけ食べる
  3. 蕎麦つゆを少しつけて食べる
  4. 鼻腔を感じるように勢いよく啜る(すする)
  5. ワサビは蕎麦をつける・もしくは最後の蕎麦湯で入れる
  6. あえて噛み締めるのもアリ
  7. 蕎麦前は2~3杯が良い
  8. 蕎麦屋さんは長居しないのが粋

蕎麦は秒単位でのびていくので手早く食べるのが粋

お蕎麦屋さんで蕎麦が出来上がりましたら、手早く食べましょう。

お蕎麦は秒単位で水が切れて伸びていきます。

お蕎麦が伸びてしまっては本来を味や喉越しを楽しめません。

もしかすると、伸びたお蕎麦を平然と食べる姿に「何も分かっていないな」と思われるかもしれません。

これでは粋な食べ方ではありませんよね?

なのでお蕎麦が配膳されたら手早く食べるのが粋とされています。

食べ始めたら会話ばかりに夢中にならずに、5~8分位で手早くにお蕎麦を食べ終わるのがベストです。

先ずはそのまま蕎麦だけ食べる

まずは蕎麦だけ2~3本つまんで啜りましょう。

蕎麦は繊細な食べ物なので、最初から蕎麦つゆを付けない方がお蕎麦の香りを楽しめますよ。

啜ったときに感じるお蕎麦の味や香りを堪能します。

ふんわり香るお蕎麦の風味を感じればよいでしょう。

もしかすると最初は上手くすすれなかったり、香りが分からないかもしれませんが問題ありません。

何回か食べていくうちに分かってくるものです。

まずは気にせず食べてみましょう。

蕎麦つゆを少しつけて食べる

蕎麦つゆを少しつけて食べる

お蕎麦だけを食べましたら次は蕎麦つゆです。

お猪口に口をあて蕎麦つゆを一口舐めてみましょう。

ごくごく飲む必要はありません。

一口舐めてみる事で「その店その店の味や濃さ」が分かります。

「辛い蕎麦つゆなら付けるのはより少なめに」

「甘めの蕎麦つゆなら少し多めに」

蕎麦つゆも生き物ですから夏場や冬場・気温や湿度・天候などでも味の変化があります。

変化もふまえて付ける量を確かめると同時に、鰹節でとった蕎麦つゆの味も堪能してみてください。

蕎麦つゆを少し付けて啜ってみましょう。

もしよく分からなければ、目安を三分の一程度にしてお蕎麦を付けて食べるのが理想です

お蕎麦は香りが繊細な物に対して、蕎麦つゆの醤油が強いからです。

決してお蕎麦を全て蕎麦つゆに付けて「グルグルかき回して」食べるのは粋ではありません。

蕎麦つゆに軽くつけたら一気に啜ってみましょう。

蕎麦の香りと蕎麦つゆのお出汁がマッチしてより美味しくなりますよ。

一口メモ

余談ですが、自身がかいた汗の量でも味が変わりますよ。

汗を沢山かくと塩辛く感じ無いこともあります。

カラダの塩分濃度が下がっている証拠です。

鼻腔を感じるように勢いよく啜る

勢いよく「ずるずる」っと啜りますと、鼻からもお蕎麦の香りを楽しめます。

ずるずる一気にお蕎麦を啜ることで、口から鼻にも香りが通り抜けていきますよ。

もしかすると「ずるずる音を立てて食べるのは汚らしい・マナー違反」と思ってしまう方もいるかもしれません。

蕎麦つゆや蕎麦湯を飲むときに「ずるずる」音を立てるのは問題ですが、お蕎麦を啜る際には音を立てて食べる方がより美味しく感じるのです。

美味しくお蕎麦を堪能したいと思うのでしたら「お蕎麦をずるずる啜る」事が良いことなんです。

ワサビ・薬味は蕎麦をつける・もしくは最後の蕎麦湯で入れる

お蕎麦の名脇役とも言われるのが「ワサビ・薬味」です。

薬味は長葱の事です。

一口メモ

昔は「大根おろしにたれ味噌」でお蕎麦を食べていたそうですが、現在は「醤油ベースの蕎麦つゆに長葱・ワサビ」が一般的になりました。

タレ味噌は「煮貫」とも言います。

寛永20年日本最古の料理書「料理物語」にも煮貫ついて掲載されています。

「味噌五合、水一升五合、かつほ二ふし入せんじ、ふくろに入たれ候、汲返し汲返三辺こしてよし」

簡単に言うと「味噌と水・鰹節を煎じた物を合わせて布でこした物」です。

ワサビや薬味はお蕎麦の味わいの幅を広げるためにもあります。

現代版の言い方をすれば味変ってやつです。

多くの人は蕎麦つゆにワサビをといて薬味を入れてしまいがちですが、蕎麦つゆの味・風味・香りが薬味の味になってしまいます。

お好みのタイミングでお蕎麦の上に「チョン」と薬味・ワサビをのせてお蕎麦を食べると、蕎麦つゆの味を損ないません。

薬味・ワサビの味わいも同時に楽しめます。

お蕎麦を啜り全ての薬味を使う必要はありません。

最後に蕎麦つゆを蕎麦湯で割って飲む際に薬味・ワサビを入れて飲む事も粋なんですよ。

一口メモ

蕎麦湯はお蕎麦が食べ終わった後に「残った蕎麦つゆ」に割って呑む物です。

お蕎麦が冷たい物ですから、温かい蕎麦湯を飲むことで冷えた体を温めてくれます。

カラダが温まるとホッとしますよね。

江戸時代からも冷えた体でお腹を壊さないように、お蕎麦を食べた後に蕎麦湯を飲む事が良しとされていました。

あえて噛み締めるのもアリ

「お蕎麦は一気に啜り噛まずに飲み込むことが粋」なんて言われることがあります。

必ずしも噛まずに飲み込むことはありませんのでご安心してください。

確かに一気に啜る事でお蕎麦の香りや風味を感じる事は出来ますが、噛まずに飲み込んでも胃腸の弱い人には負担になります。

お蕎麦も「あえて噛みしめる」ことで、お蕎麦の味わいを深くすることも出来るんです。

香りと風味は啜る時に感じ、軽く噛みしめてお蕎麦の味わいを感じる事で「1度で2度美味しく」なりますよ。

無理に噛まずに飲み込む必要はありませんよ。

一口メモ

昔の江戸っ子職人は「粋で」と言うより時間がなく忙しかったんです。

ちゃちゃっと食べて仕事に戻りたいことから、ローカロリーなお蕎麦を一気に啜っていました。

1日に何回もこまめに食べるのが特徴です。

現代の職人さんで言う10時・3時の休憩みたいな物でしょう。

体力仕事で沢山食べないとカラダは持ちませんが、満腹にしてもカラダが動かない。

そんなことから10時・3時の休憩でも、蕎麦を一気に啜っていたのかもしれませんね。

蕎麦前は2~3杯が良い

蕎麦前は2~3杯が良い

お蕎麦屋さんと言えば蕎麦前が粋。

蕎麦前とはお蕎麦を食べる前に呑むお酒や肴のことです。

江戸時代ではお蕎麦屋さんにくれば「上質なお酒呑める」ことでした。

蕎麦屋さんには水増しされていない「御酒」が入っていたそうです。

一口メモ

「水増し」と言う言葉があるように、当時のお酒も配送中に「水でお酒の量を増やしていた」そうです。

売っては水を入れて増やし、ドンドン薄まっていくお酒が多かったのでしょう。

水増しなんて言葉の語源の1つにもなっているようです。

そんなお蕎麦やさんではまずはお銚子1本。

種物と呼ばれる物を肴にもう1本。

お蕎麦と一緒に更に1本。

昼間からお酒を呑んでも罪悪感が無いのが蕎麦屋さんの特徴なんです。

一口メモ

種物は温かいお蕎麦の上に乗ってくる具材の事です。

蒲鉾・玉子焼きなどお蕎麦やさんで常にある物を酒の肴にしていました。

現代でも板わさで一杯。

天ぷらで一杯。

〆のお蕎麦を食べながらもう1杯。

呑みすぎ防止にもなりますし、ほろ酔いで丁度良いですよ。

もちろん自身のお酒の強さで1杯でも十分と言うこともありますよね。

蕎麦屋さんは長居しないのが粋

お蕎麦やさんではサラッと呑んでお蕎麦を啜ったら、サッと勘定を済ませるのが粋とされています。

ちびちび呑んで長居するのは、だらしなく見えて格好良くないですよね。

お話に夢中になってゆっくりお蕎麦を食べることで、お蕎麦が伸びきってしまうことも嫌っていた事でしょう。

腹八分目が良かったとされることからも、満腹にしないようにサッと帰るのが健康的で良かったと推測されます。

お蕎麦やさんではお蕎麦が来たらお喋りは止めて「ずるずるとお蕎麦に集中する事」が美味しさの秘訣なんです。

まとめ

いかがでしたか?

失敗しないお蕎麦屋さんならではの食べ方が理解出来ましたか?

さらりと軽くせいろを啜っても良し。

熱々のカラッと揚がった天ぷらと一緒に食べるも良し。

種物の肴と一緒に軽く一献傾け、サラッとお蕎麦を食べるも良し。

江戸時代からある粋な食べ方を学習して、お蕎麦屋さんに足を向けてみてはいかがでしょうか?

お読み頂きありがとうございました。

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