おそばの三たてって何?
本当に三たてが美味しいの?
こんな疑問にお答えします。
そもそもお蕎麦の三たてとは「挽きたて・打ちたて・茹でたて」の3つを言います。
そんな三たてがなぜ美味しいのか検証していきます。
ちなみに「獲りたて」なんて言葉もあり「四たて」とも言われています。
挽きたて
ぬき実(そば殻だけ取り除いた緑色の物)を石臼で挽いて「挽きたて」でお蕎麦を打つと美味しいです。
フレッシュな状態なので、香り高く水分量も多くしっかり味にのると思います。
所で挽きたては美味しい物なんですが、もっと大切なのは「ぬき実や蕎麦粉の管理」なんだと思います。
挽きたてにする際のぬき実をしっかり管理しているのか?いないのか?で、味は変わってしまいます。
近年ではこだわるお蕎麦屋さんでは「低温貯蔵庫で管理する」お店も見えてきています。
仕入れ量もコントロールするなども、フレッシュな物を使うのも1つの管理です。
乾燥しにくい袋で保存したり、お蕎麦屋さんの努力が垣間見えてきます。
挽きたてを美味しくする為には、まずは管理が重要視されてくる物なんです。
お蕎麦屋さんも製粉会社さんも、もっと深く言えば蕎麦農家の方々が一生懸命育ててくれたおかげで、美味しいお蕎麦が我々の口に運び届けられる訳なんです。
たかがお蕎麦、されどお蕎麦ですよね。
打ちたて
打ちたてとは「お蕎麦を打ってすぐに茹でる事」と思われている事です。
結論正しくないと思います。
なぜなら打ち終わったばかりのお蕎麦は「水分と空気」が馴染んでいないからです。
馴染んでいない状態でお蕎麦を茹でた場合、釜の上をお蕎麦がユラユラして「生煮え」する場合があります。
お蕎麦は「三かえり」と言って、釜の中を三回対流して潜ったり浮いたりすると茹であがると言われています。
出来上がったばかりのお蕎麦は、対流せずに浮いてしまうので良く茹であがらないよって事です。
30分位経って落ち着いてからの方が美味しく茹であがると言われています。
つまり「打ちたて」が必ずしも美味しいとは限らないと言うことになります。
そのためお蕎麦屋さんでは「仕込み」の時間の配分を調整して、お蕎麦を打つ時間も考えて仕事を行なっていると思います。
打ちたても「打ってすぐ」という意味では無く、打って丁度良い時間の事を「打ちたて」と考えているのかもしれません。
どちらにしてもお蕎麦屋さんの繊細な技術と気遣い・努力があって「美味しい打ちたて」が提供されている物だと思います。
茹でたて
茹でたては茹であがったお蕎麦を手早く水切りし、ザルやせいろに盛って提供することです。
なぜなら「お蕎麦は秒単位」で味・コシ・食感が変わるからです。
お蕎麦の寿命は短い物です。
例えばお蕎麦が全員分揃ってから食べていては「最初のお蕎麦」はどんどん伸びていきます。
これではお蕎麦本来の魅力を堪能できません。
茹でたてのお蕎麦は「できるだけ早く食べる事」が美味しさの否決です。
ところで美味しさを追求するあまり「とにかく手早くかっ込んで啜る」なんて考えてしまうかもしれません。
食べるスピードと提供されてから箸を付けるタイミングでは意味が変わっていきます。
お蕎麦をほったらかしてお喋りに夢中になるのも問題ですが、勢い良く食べ過ぎても「茹でたて」の美味しさは味わえないかもしれません。
食べ方については下記記事を参考にしてみてください。
獲りたて
三たて以外にもう一つ言われているのが「獲りたて」です。
蕎麦農家さんが収穫からお蕎麦屋さんに届けるまでの時間ですよね。
フレッシュな状態で贈られてきた「獲りたて」は鮮度が高いものです。
ところで勘違いしてはいけないのが「必ずしも獲りたてを即届けること」が良いかって事です。
収穫後に脱穀や乾燥など、様々な工程を経てようやく発送される物です。
しっかりした蕎麦農家さんの工程ありきで美味しいお蕎麦が届くのです。
場合によっては獲りたてのお蕎麦をしっかり密封して管理し、低温貯蔵庫で熟成させることも違った美味しさがあったりします。
寒ざらしそば寒い冬にお蕎麦を冷たい川など冷水につけ、寒風にさらし乾燥させたものをお蕎麦に使います。
つまり「獲りたて」は収穫してすぐにお蕎麦屋さんに送ることでは無く、いかに獲りたて後に美味しくなるように管理するのかが考えられると思います。
蕎麦農家さんの努力の結晶が垣間見えるのが「獲りたて」なんだと思います。
我々の口に美味しいお蕎麦を届けてくれて感謝ですよね。
まとめ
いかがでしたか?
考え方でも変わってしまうのがお蕎麦です。
おそばの三たてには思ったより深い話が見えてきましたでしょうか?
蕎麦農家さん・そば打ち職人、そして食べるお客様の食べ方まで通して、ようやく美味しい三たてが完成する物です。
そんな思いを感じながらお蕎麦屋さんでお蕎麦を堪能してみてはいかでしょうか。
お読み頂きありがとうございました。
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